永遠のベストセラー スティンガーシリーズの最新モデルたち スティンガーLED HL/HLP
ルミテック日本AスティンガーLED HL / スティンガーHPL
いつもルミテック日本のブログをご覧頂き誠にありがとうございます。本日はストリームライト45年の歴史を持つSTREAMLIGHTの永遠のベストセラー「スティンガー」シリーズをご紹介します。とは言っても、スティンガーシリーズをすべて紹介すると大変なことになりますので、まずは最新モデルの2つからご案内させていただきます。
スティンガーシリーズはキセノン電球時代より続く伝統のモデル。そのLED版がリリースされてから既に10年近くが経ちます。この10年間にLEDは目覚ましく進化し、プラットフォームであるボディやチャージャーを維持しながら搭載LED及び光学パーツを進化させてきました。そして2017年現在スティンガーライトのハイエンドモデルは800ルーメンまでその明るさを高めました。また、用途に応じた多彩なラインナップを持ち、各方面のプロフェッショナルの要望に常に応え続けるシリーズとして今も進化を続けています。
そんなスティンガーシリーズで人気を二分する二つのモデルを比較紹介したいと思います。
どちらも最大800ルーメンを誇るモデルですが、その外観は大きく異なります。スタンダードモデルに近い形状を維持しながら更に明るくしたスティンガーLED HLはヘッド径41mm、対するHPLは56mmのワイドスムースリフレクター。この違いは輝度に現れます。HLは最大24,000CDP、HPLは倍の48,000CDPとなります。輝度の違いは眩しさの違いであり、照射距離の違いとなって現れます。HLの最大照射距離が310m、HPLが最大438m。広く、深いリフレクターを持つHPLの方がより遠くを照らすことが出来ようになっています。
煙を媒介にして配光を確認してみました。
写真上がHLで下がHPL。レンズから放たれる中心光軸の太さとその先の光の密度の違いが分かるかと思います。光の密度が多いと言うことは明るい部分を意味します。集光された光の方がより濃く光軸の形状を維持して飛びます。HLはHPLよりも手前で光が散り始めてより全体を照らすようになります。それはHLの方が光が飛ばないというネガティブな意味ではなく、意図的に手前で光が散るように設計されているためです。対するHPLはとにかく光を遠くに飛ばすことをメインに作られたモデルになります。
意図的に光を散らすHLの配光は絶妙です。
スティンガーLED HLはスタンダードモデルよりも明るく、かつ同程度の照射距離を稼ぐためにリフレクターの表面構造が二段階になっています。光軸から近いところは細かな凹凸の付いたテクスチャード仕様で、レンズに近い部分が鏡面加工のスムースタイプになっております。スタンダートモデルと同じヘッド径で手前から奥まで違和感の無い配光が得られます。
HPLによる屋外照射。
HPLの配光は確かに中心光軸を絞った遠方照射にこだわったものですが、照射面がピンスポットに明るくなるわけではありません。中心光の周囲にある広い周辺光が辺りを照らし、その中心を鋭い光軸が遠くまで走ります。ですから、手前が見えなくて足元が覚束無いという心配はありません。いわゆる光学レンズを使用したライトに比べ中心光はより絞られ、周辺光も同時に得られるのが最大のメリットです。
次に共通する充電器、ACアダプターで変更がありましたのでご案内します。
スティンガーといえばのこのチャージャー(充電器)。従来は標準充電器と急速充電器、さらには予備充電地を同時充電可能なピギーバック充電器のラインナップがございましたが、現在は急速充電器のみのセット販売となっています。この急速充電器75105はマイクロUSBによる充電に対応した最新モデルです。長年変わることのなかったこの充電器にも新しい技術が組み込まれ始めました。ACアダプター22071は従来品と比べかなり小さく軽量です。理由は従来品が変圧トランスを使用した大きく重たいものでしたが、現在は電子スイッチングタ方式に変り電圧フリー、ヘルツフリーとなっています。昔は国別にACアダプターを変える必要がありましたが、このACアダプターは世界中の商用電源に対応していますので出張などの際にも安心です。
今時マイクロUSBが使えることくらい新しくもないと思われるかも知れませんが、この充電器のスタイルを維持したまま進化させることにストリームライトはかなり苦心したと思われます。また、マイクロUSBの欠点である「上下問題」を解決するためにプラグ側に凸状のガイドとロックが付いています。これでプラグを差し間違えることもありませんし、簡単に抜けてしまうこともありません。小さな配慮ですが、後発だけに他社が見落としてきた「現場での利便性」に着目した改良点だと思います。
ストリームライトが拘るチャージャーはこのように壁面に固定して使用します。「どうぞ壁につけてご利用ください」と言わんばかりの長いアンカーボルトが付属します。ライトを充電器に挿すときはテール側から挿しこみ、「ガチャン」と音がするまで押し込みます。チャージャーのパイロットランプが赤く光ったら充電開始の合図。仕事の終わりを知らせるそのサインはストリームライトの充電モデルに共通する「儀式」の一つです。
現在一部のモデルを除くスティンガーシリーズに使用されている充電池はニッケル水素充電池75375です。極性が1箇所にまとめられたものでテールキャップは充電池を押し込んでいるただの蓋になります。社外品の汎用品が使えないのは「不便」と感じる方もいるかも知れませんが、懐中電灯の点灯不良やちらつきの大半はテールキャップとボディー間の接触不良によるものですので、この端子構造にすることによりそのような不具合を回避することができます。また、純正品ではない充電池を使用して事故が起きることを防ぐ目的があると考えます。充電池の安全性に関してあまり頓着のないユーザーもいらっしゃるかもしれませんが、ライトがその性能を発揮する上で電源となる充電池の品質と安全性は純正に勝るものはありません。
最後にハンドリングについて。
ライトの持ち方はそのライトの使われ方に大きな影響を与えます。「短いボディ」「長いボディ」いろいろありますが、携帯性や軽量さを重視するとボディは短くなる傾向にあります。しかし、スティンガーシリーズは決まったサイズの専用充電池となりますのでボディの長さ自体はどうしようもありません。ヘッドの形状や長さに違いはありますが、ボディの長さはこの充電池を使用し続ける限り大きく変ることはありません。
しかし、それも想定された仕様の一つであると思われます。なぜならば、スティンガーライトは二通りの持ち方が想定されています。一つはバトンを持つようにもって親指でスイッチを操作する方法と、もう一つが逆手に持って人差指で操作する方法です。一般的に日本ではこのようなサイドスイッチタイプのライトは順手で持つと思われます。しかし、ストリームライトの本場であるアメリカでは、ライトを目線の高さに持って来て照らすシーンを映画等で見かけることがあります。これは何も格好付けているのではなく、そのように持つのが合理的で見やすいからです。もちろん、アメリカのポリスマンも順手でライトは持ちますが、状況に応じて使い分けることが出来る、ということです。そして、それがし易いか、否かはライトの長さとデザインに関係します。
スティンガーシリーズのライトの多くはそれなりの長さがありますので、肩にライトのテール部分を当てて持つと違和感なくライトを高い位置で構えることが出来ます。こうすることでユーザーの視線とほぼ同じ視界を照らすことが出来ます。順手持ちの方が手首の動きで広い範囲をカーバーすることが出来ますが、どうしても低い位置からの照射になります。そのため、路面など地面を見るには良いですが、遠くを照らそうとすると高い位置から照らさなければなりません。このように持ち方一つを変えることで使用に適したシーンが分かれます。それを自然と行えるのがスティンガーライトの特徴の一つと言えます。
多くのライトが小型化、ハイルーメン化する傾向にあります。それは伝統あるスティンガーシリーズにも影響を及ぼしています。ストリームライトのシリーズモノは良くも悪くも「硬い」のです。ダイナミックにこれまでのシステムをすべて捨てて新しいものに変ることはありません。非常に堅実に、石橋を叩くが如く小さな改変をしながら進んでまいりました。その理由はこれまでのユーザーを大切にする「アフターメンテナンス」を重要視しているからだと思います。充電式ライトというのは「システム」そのものです。どのパーツや消耗品がなくなっても維持することが出来なくなります。つまり、大きく規格が変る時、従来のユーザーを切り捨てる決断をしなければなりません。それがストリームライトに無かったわけではありません。しかし、可能な限りそれを減らす為に遅効な改変しているのだと思います。
なぜならば、スティンガーシリーズは警察や消防、軍などにプロフェッショナルの現場に大量に納品された品物であるからです。このような官公庁では一度構築されたシステムは簡単には崩せません。「モデルチェンジしましたから全部買い替えます」なんてことは簡単には出来ません。使える限りそれを維持することが重要視されます。常に新しいアイテムを生み続ける一方、これまで利用してくれたユーザーを大切にし、使い続けてもらうようにメンテナンスパーツを揃えるのがストリームライトの最大の特徴とも言えます。スティンガーシリーズは当にそれをあらわす代表的なシリーズの一つです。
スティンガーLED HL / スティンガーHPL